前立腺−男性だけにあり、その機能はまだはっきりとはわかっていない謎の臓器です。
いま、加齢にともない前立腺の病気、前立腺肥大症と前立腺がんが男性の健康にとってたいへん大きな問題となっています。
前立腺肥大症は、現在、65歳以上の男性の3人に1人に見られるといわれますし、前立腺がんは、すでに米国では、男性に起こるがんのうち最も頻度が高いがんで、3人に1人に前立腺がんが発見され、10人に1人が前立腺がんで亡くなっています。
日本でも前立腺がんは、現在最も増加が著しいがんで、今後30年間で罹患率は4倍に増えると想定されています。そして腫瘍マーカーであるPSAが、検診をはじめとして普及することで、初期の前立腺がんも多く見つかるようになりました。
一方、前立腺肥大症と前立腺がんは、ともに薬物治療、超音波治療、放射線治療など、さまざまな治療が行われています。
この前立腺の病気を的確に診断し、治療できるためには泌尿器科専門医のなかでも、すぐれた経験と技術が必要です。
新妻雅治先生は、東大病院、国立がんセンターをはじめとするトップ病院でがん医療、先端医療の研鑽を積まれた前立腺の専門医で、なおかつ患者さんにたいへんやさしい、サービス精神満点の外科医として有名な方です。
前立腺の病気の治療には多くのオプションがあり、また医療施設によって可能な治療法もかぎられていることから、患者さんも「どうやって、どの治療を選択しようか」と迷われることも多いと思います。
本書は、前立腺肥大症と前立腺がんについて、わかりやすい筆致で、しかも専門医の間で現在話題になっているような、最先端の内容も含んでいます。
特に、巻末にある患者さんの体験記は、まさに医師と患者さんの両方向の意思の疎通と、その結果としての「納得の医療」を心がけておられる新妻先生らしい内容と、瞠目いたしました。
排尿のぐあいの思わしくない方、また、「ひょっとして、前立腺がんのおそれがある」と医師に言われて不安な方は、ぜひ本書をお読みいただき、ご担当の泌尿器科の先生とじっくり話し込んで、よい医療を受けていただくことを願っております。
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